【脱線シリーズ】『100日後に死ぬワニ』の人気の謎を調査

全然マンドリンと関係ない脱線シリーズの記事です。

漫画家/イラストレーター、きくちゆうきさんがTwitterで連載している『100日後に死ぬワニ』が空前の大ヒットとなっています。
迫る死に全く気付くことのない主人公ワニ君の日常ドラマをコミカル・ポップに描いた4コマ漫画です。
内容が非常に興味深い上に、リツイート数やいいね数など明確な数値が出るので、少し分析してみたいと思います。

※多少ネタバレがありますので、あらかじめご了承ください。

データを集める

1/12までの32回分のデータを集めました。
拡散要因であるRT数、いいね数、それに共感等の深度を測るために返信数をとりました。
ワニ分析表20200113
さらに、漫画の内容を要素分類するため、下の7つ項目を表の右側に追加し、割り振りました。

  • 死の無自覚
  • 無意味な未来
  • 恋路
  • 友情
  • ワニの人間性
  • ワニの日常
  • 社会、時事

二つの要素が入っているものは、50%ずつで振り分けました。

 

RT、いいね、返信数の推移

まずは素直にRT、いいね、返信数の推移を追っていきましょう。
それぞれ単位や数字の大きさがバラバラなので、偏差値にして揃えました。
これで単純にシリーズ内のアップダウンが把握できます。

20200113ワニ、数値推移

青がRT、破線赤がいいね、破線黄色が返信数です。
初回のRT数がダントツですが、これは一旦比較対象から外しましょう。
その他の回では、12/19、1/5で爆上げしていることがわかります。
逆に12/24と1/3が振るわない結果になっています。(それでもすごい反響なんでけどね…)

いったいどんな内容の回なのか?
爆上げ1回目12/19は、街で子供好きな一面を見せる、ほのぼのとした日常を描いた回です。
2回目の1/5は、友人から電話で呼び出されて行ったら緊急招集の理由が「明日から平日」というものです。
特に1/5は時事も絡んで共感性の高いネタになっていますが、どちらも、ほのぼのとした内容です。

一方で、比較的振るわなかった回を見ましょう。
12/24はクリスマスイブ、入院中の友人が恋路がうまくいかないワニ君を励ます回です。
1/3は、メルカリでプレミアものを発見したけど転売屋からは買わない、という回です。

爆上げの回も振るわなかった回も、内容や要素にあまり一貫性がなく、ここではあまりはっきりしたことは言えないようです。
(何か気づいた人がいたら教えてください…)

ただ、ここで「いいね」に対する仮説は、一つだけ立ちます。
RTといいねは基本的に比例しますが、12/24と1/3だけは、いいねが格段に少ないです。
「先輩との恋がうまくいかないワニ君」「転売ヤーがプレミアものを買い占めていること」に対して「いいね」を押しにくかった人もいたのではないか、と思われます。

 

ネタ要素が与える影響

細かい絵柄や表現手法まではわかりませんが、「死の無自覚」「無意味な未来」「恋路」「友情」「ワニの人間性」「ワニの日常」「社会、時事」というざっくりした要素分類で、それぞれがRT、いいね、返信数に与える影響を調べます。

20200113要素分析

表では全然わからないので、偏差値にしてグラフ化します。

ワニ要素別分析20200113

偏差値3つを単純に積み上げた棒グラフです。
グラフから目立つ部分をピックアップすると以下になります。

  1. 「死の無自覚」と「友情」のRT、つまり拡散性が高い
  2. 「恋路」は返信率が高く、深い共感や応援が得られている
  3. 「日常」はRT、返信数ともに低い

 

ここまでのまとめ

さすがに、サンプル数が32しかないので、あまり明確な仮説には結びつかなかったですね…。

主人公の恋が上手くいかない回や、転売屋など社会問題に焦点が当たっている回は、「いいね」が押されにくいかもしれない

これだけは濃厚で信頼性があると思います。

 

個人的には、ついついツッコミを入れたくなる「無意味な未来」回がツボなのですが、今回の調査では、「無意味な未来」回は巷ではそこまで振るわない結果になっていて意外でした。
自分のツボはそれほど一般的ではないのかも。
また、「どんなにほのぼのとした日常」を描いても「背後に死を意識させる」ことで、スペシャルなものになっていると思っていて、そのフォーマットに強く関心を覚えています。

 

もうちょっと日数経過してから、もう一度調査するかも、です。

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